実話を元にしている映画「南極物語」ですが樺太犬タロ・ジロについて、気になる話題をお届けしたいと思います。
第一次越冬隊が昭和基地に樺太犬のタロとジロなど15頭を首輪に繋いだまま置き去りにしたシーンがひどいと話題になっています。
動物愛護法に引っかかるような内容でどんな理由からあんな行動に出たのか気になります。
今回はなぜ15頭の樺太犬を南極に置き去りにしたのか理由について解説します。
南極物語がひどい!観測を協力した15頭の樺太犬を置き去りにした理由とは?
第二次世界大戦後の日本、敗戦した日本はアメリカの圧力で南極観測を行うことになります。
ただ当時、膨大なエネルギーを得られる原子力開発に予算を割いて注力していた日本にとって南極観測への予算はほとんどなく、国民からの多くの募金、企業からの協力によって開始することができた国家プロジェクトでした。
南極観測隊第一次越冬隊の1年以上にわたる南極生活は想像以上に大変で、過酷な環境の中で南極の気象や磁気、オーロラなどの現象を観測しデータを残すためにも寒さに強い樺太犬の協力が欠かせませんでした。
第二次越冬隊員へ業務を引き継ぐ中で悪天候に見舞われて、海氷などの状況からも第一次越冬隊員を一旦船に引き上げさせる命令が下りました。
第二次越冬隊員の隊長「村山雅美」が樺太犬をすぐに使いたいと言っていたため、無人にするのは数時間と考えていた第一次越冬隊は昭和基地に樺太犬を鎖で繋いだままにしました。
ただ、天候は悪化していくばかりで第二次越冬隊員が上陸し、任務を遂行することは難しいと判断されたこともあり、船は離岸してタロ・ジロをはじめとする15頭の樺太犬は南極に残されることになりました。
故意に残したわけではなく、そうするしかなかったことがわかりますね。
1年後、なぜタロ・ジロの2頭は生き延びることができたのか?リキの死亡理由も調査
鎖に繋がれて放置された15頭のうち、7頭は鎖に繋がれたままやせ細った状態で遺体が見つかり、6頭の姿は見つかりませんでした。
15頭の樺太犬を残したまま南極を離れた翌年、タロ・ジロの生存を確認できたわけですが、第3の犬が2頭を助けたのではないかと言われています。
それは親のようにタロ・ジロの面倒を見ていた「リキ」だと推測されます。
実際にタロ・ジロの発見の9年後に、昭和基地の近くで雪の中から一頭の樺太犬の死骸が見つかりました。
その死骸は灰色で短毛で「リキ」の特徴にも当てはまりました。
リキは15頭の中で最年長で若かったタロ・ジロの面倒を見ていたことから、南極で残ったあとも2頭の食糧を持ってきたと推測されました。
リキは年老いており体力的にも生き残れなかったと考えられます。悲しいですね。
リキの死亡理由は年齢や過酷な環境でタロ・ジロの面倒を見て餓死したと推測されます。
南極物語がひどい!樺太犬がかわいそう!との声を調査
賛否ある南極物語ですがひどいとの声は多く見られました。
やはり置き去りにしたことに対してかわいそう、ひどいなど声は上がっています。
一部ですが紹介します。
タロ・ジロのその後は?
生存確認ができた「タロ」と「ジロ」ですが、その後が気になる方も多いのではないでしょうか。
「ジロ」は、その翌年1960年7月9日、昭和基地にて5歳で病死しています。
また、「タロ」は翌1961年5月に日本に帰国し、北海道大学植物園で余生を過ごしますが、1970年8月11日、老衰のため14歳7ヶ月で亡くなります。
その後、今回の出来事を語り継ぐためにも2匹とも剥製されています。
北海道大学植物園にてタロの剥製が、国立科学博物館ではジロの剥製が展示されており、南極観測犬としての偉業と功績を伝え続けています。
南極物語はなぜ今も人気なの
南極物語が人気な理由は、やはり実際の出来事に基づいた感動的なストーリーにあります。
ここまでお話ししたようにこの映画は、1958年に日本の南極探検隊が南極で一時的に彼らのカラフト犬を残さなければならなかった実話を元にしています。
特に、犬のシロとタロが奇跡的に生き延び、1年後に探検隊によって発見されたことは、多くの人々に深い感動を与えましたね。
物語の中で、これらの犬たちが極寒の環境で生き残り、仲間と共に団結する様子は、忠誠心、勇気、生命の強さを象徴しています。
また、映画は動物と人間との深い絆を描いており、観客に強い共感を呼び起こします。このような要素が合わさって、『南極物語』は多くの人々に愛され、感動的な作品として記憶されているのです。
要素 | 詳細 |
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監督 | 蔵原惟繕 |
脚本 | 野上龍雄、佐治乾、石堂淑朗、蔵原惟繕 |
製作総指揮 | 日枝久 |
出演者 | 高倉健、渡瀬恒彦、岡田英次、夏目雅子、荻野目慶子 |
音楽 | ヴァンゲリス |
製作会社 | 南極物語製作委員会 |
公開日 | 1983年7月23日(日本) |
上映時間 | 145分 |
製作国 | 日本 |
興行収入 | 110億円 |
配給収入 | 59億円 |
概要 | 南極大陸に取り残された兄弟犬タロとジロと、越冬隊員の再会を描く実話に基づく大作映画。 |
キャッチコピー | 「どうして見捨てたのですか なぜ犬たちを連れて帰ってくれなかったのですか」 |
撮影場所 | 北極圏、南極、北海道など |
犬の種類 | エスキモー犬(樺太犬の代役) |
音楽の特徴 | ヴァンゲリスが担当し、壮大なスコアを提供。 |